山と旅と私

四季を通じて登山を楽しみ、沢、岩、海岸線、そして街や雑踏も楽しむアクティブなライフスタイルを紹介します。

西穂高岳―奥穂―白出沢―新穂高温泉

前日まで天気に気を揉んだ。「西穂高岳まで行って降っていたらやめようか・・・」なんていう会話をしていたくらい。


実際は、寝ている間に少し降ったが夜明け前は満点の星空。 草露に足を濡らしながら登り始めた。 独標を超えると本格的な岩場のルート。石を落とさないことと3 点確保をしっかりするのはもちろんだが、ルートファインディングも時として必要になる。そしてライト&ファストを意識して、テント泊だが荷物は15 ㎏以下にした。


普段、クライミングの練習をしているせいか、足の置き場にあまり不安なく行けてよかったと思う。ハーネスは念のため付けたが、はっきり言って不要。念のため予備ロープと捨て縄があれば安心。 ほとんど霧で遠くを見渡せなかったが、
ジャンダルム手前で青空が広がった。前と後ろを見ると一瞬言葉を失い、

「こんなとこ来たの? あそこ登るんかい?」

と、感動なのか不安なのかよくわからなくなってしまった。
ジャンダルム上では天子さまがお出迎え、一息ついてしばらく行くと最後の難関「馬の背」だ。ここは岩登りの基本さえ守れば通過できそうだ。ただ、下りだったり濡れていたりすると怖いだろう。 昼過ぎに奥穂高岳山頂。珍しく4 人しかい
なかった。

山荘に着いてテントを張ってからはノンビリ。ボクは贅沢にも小屋の食事にした。それにしても様々な所で変化や進化を感じる。山荘ではクレジットカードが使えて携帯の充電器もある(1 回200 円)、トイレは清潔。そしてテントのシングルが多数。かつての7-8 人用のドームテントなんてどこにあるのやら。4-5 人用だって珍しい。


翌日の天気予報は、午後から下り坂、雷の恐れもあるとのこと。それはそれとして、心理的なことも言ってしまうと、今日でメインルートを終えてしまい、面白味は下がる。天気を気にしてまで行くかな。。??と2 人そろって下山モード。

それなら、積極的下山?にしようということで山小屋の人にルート情報を聞き、大丈夫そうだとわかったので、白出沢を下りてみることにした(上高地側へ降りると時間がかかるのは言うまでもない)。

2 日目 日の出を拝んで5 時に山荘前を出た。私たち以外に下る人はいない。一見ガラ場を行くように見えるが、道や目印がしっかりしているので安心。大きい石をよくここまで安定させられたなと感服。雪渓を吹き下ろす風が涼しくて気持ちいい。


荷継小屋跡を見て、先人の働きに信じられない思いになる。要は下から担いできた荷物をここからまた別の人たちが担ぎ上げる中継所だったか、それとも同じ人が宿泊したか?。。。


沢の流れる音がはっきりし始め、クマの出そうな樹林帯へと一気に標高が低くなった。沢のヘリについた道は、黒部下の廊下の予行演習の感じ。 変化に富んでるな。 白出沢を渡るともうそこは普通の登山道。

ひたすら下り、ロープウェイに乗って、あとは駐車場へ。 9 時半鍋平着。


追記 50 年前の1967 年8 月1 日 西穂高岳独標付近で松本深志高校の生徒 落雷事故。

合掌

1 日目 3:40 西穂高山荘 – 5:40 西穂高岳 – 8:00 天狗の頭 – 8:45 天狗のコル – 10:30 ジャンダルム
- 11:50 馬の背 – 12:10 奥穂高岳 – 12:50 穂高岳山荘 (9 時間10 分 休憩含む)
2 日目 5:00 穂高岳山荘発 – 6:30 荷継小屋跡 – 7:10 白出沢渡渉 – 9:00 ロープウェイ乗車 – 9:30P (4 時間半)