戦国時代からある峠越えの道(北アルプス徳本峠)
交通の整った現代、北アルプスの上高地へ行くにはバスで行くのが一般的だ。しかし、つい100年ほど前までは徳本峠(とくごうとうげ)を超えて上高地へ入っていた。
その渓谷美の素晴らしい峠道は戦国時代からあると言われ、炭焼き窯跡や木造の小屋は人の往来の歴史を感じさせる。
そんな趣のある道を、我々は逆コースで歩いてみることにした。
予定していた当日朝まで猛烈な雨。予報では午後から晴れるというので、霞沢岳は諦めて峠越えに変更。
行きに安曇支所に1台車を置き、もう1台を沢渡に置く。
明神から徳本峠へ至る道に入ると、とたんに人気がなくなる。クマでも出てきそうな雰囲気だ。
標高を上げていくにつれて雲もどんどん切れて、明日の晴れを期待させてくれる。広葉樹の原生林の中、
レンタルしたGPSで現在位置を確認すると、実際より20m近く離れていた。 やはり空が見えるところで捕捉しておくべきだろう。
峠に着くとテントでほぼいっぱいになっていた。小屋はツアー客で満員。時代は変わったものだと思う。
霞沢岳方面へ15分くらい登ると、すばらしい明神の景色が見られた。
翌日はひたすら下るので気分的には楽。岩魚留小屋は無人になってからもう何年も経つようだ。30年前までは囲炉裏のあるいい小屋だったのだが。。。
このコースの景色は、森と渓谷の素晴らしさに加え、戦国時代からある道でもあるので、昔に思いを馳せながらゆっくり登るのにおすすめしたい。